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いつもsinさまとお逢いする街のいつもの駅にあるビルで会議。

sinさまに会議のことはお伝えしたけれど、逢うのはちょっと厳しい時間帯でもあったので、sinさまの近くにいる悦びを感じるだけにすることにした。

sinさまがわたしが近くにいることを感じてくださればそれも嬉しい。

いつもの電車に乗って、いつもの車窓を見て、いつもの駅で降りたとき、わたしはどうしようもなくsinさまにお逢いしたくなっていた。
このルートはsinさまとお逢いするとき以外に使ったことがない。特別な感情がわたしの胸に湧き起こるルートだったのだ。

わたしはこんなにも自分を抑制できないくらいsinさまを恋しがり逢いたがっているのだ。
sinさまはこんなわたしの気持ちなどわかってくださっていないだろう。
だって、わたしですら、今、ほんの今気づいた激情なのだから。

本当は会議に向かう電車からsinさまのお近くに行けること、sinさまにもわたしを感じていただきたいことをメールするつもりだったのだけれど・・・iPhoneを開いても指が動かなかった。
そんな可愛いメールを書ける心理状態ではなかったから。

今日のことは伝えてあるのに・・・一通のメールもくださらないsinさまに悲しくなってしまったのだ。

わたしはこの言葉足らずの男に飼われる限り、こんな想いを何度も何度もすることになるんだな。と思わずにはいられなかった。

帰りの電車で、その気持ちのままにメールをした。
でも、少し思い直して2度目のメールをする。

sinさまがとてもお忙しいのはわかっていますし、休日もお仕事だったのですから今日も大変お忙しくお逢いできないのもわかっています。

でも、いつもの電車に乗って、いつもの車窓を見て、いつもの駅で降りたら、どうしようもなくsinさまにお逢いしたくなりました。

今日一通でもメールをいただけていたら、もっと違ったのにな。


このメールを送信した直後にsinさまからのメールを受信した。
いつもとは違う少し長いメールで、わたしのsinさまに逢いたいと想う気持ちはわかっている。と、そしてsinさまのお気持ちも書かれていた。

入れ違いのメールが嬉しかった。

sinさまもわたしに逢いたいと思ってくださっている。
逢いたいと思っていないわけがないのだ。

落ち着いて考えれば簡単にたどり着けるふたりの気持ちなのに、寂しいが勝ってしまう。

寂しいに負けちゃってもいいや。
その度にsinさまにわたしの気持ちを温め直してもらおう。
そんなことを繰り返すうちに、sinさまもわたしも溶合って、わたしは寂しいを無理に良い子になって追い出さなくてもよくなるだろうし、sinさまもわたしが寂しいに喰われちゃう前にそこから救出する術を覚えてくださるだろう。
後者はちょっと時間がかかるかもしれないし、前者は後者が成り立ってはじめてなくなるものだから、まだまだわたしは寂しいってsinさまに泣きつくのだろう。

ほんとうに不器用なふたりだなぁ。


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