2ntブログ



この男は、わたしを傍へ呼ぶことはない。
この日も、確実にわたしに関することだったはずなのに、ひとりでソファに腰かけると、珍しく提げてきた(わたしの)お気に入りの薄い皮のショルダーから、包みを取り出した。

わたしは、すぐその足許に跪いて膝に手を置き、広げられていくその包みを見たのだった。

sinさまの手には、わたしが見たこともない金属製の輪っか。
すぐには解らなかった。
sinさまからわたしに手渡されたのは、とてもシンプルな金属製の首輪だったのだ。
ベルトも鍵も付いていなくて、ひとりでは嵌められない。そして、嵌められたが最後自分ではずすことができない代物。

わたしはsinさまの膝に首を差し出して、髪をかきあげる。
ひやっとした感覚を首の後ろに感じた。
それは硬い金属と…sinさまの指の感触。

革製の首輪のように、わたしの首に馴染むことはないだろう。
それが、sinさまとわたしの関係のように思えた。
永いあいだ、ご自分の足許において、やっとその気になった。って、わたしにとっては、そんな不意打ちみたいに嵌められた首輪だった。

あぁ…そうか。この男が己の牝に考えていた首輪は、飼うためのしるしではなかったんだな。
だから、わたしが最初にねだったからと、準備した大型犬用の首輪は、とてもちくはぐで…そしてあの首輪に特別な感情をお持ちではなかったのだ。
わたしは、あのとき、この男は自分の牝に首輪を嵌めたことがないのだろう。だからこんな大きな首輪を準備してしまったのだろう。と、思ったのだけれど、そうではなくて自分が己の牝の首にかける首輪のイメージがあって、それまでの牝さんに嵌めてきたのも、こういう首輪だったんだな。って、首にかかる重みを感じながら乱れたのだった。

淫らな躰に映えるぬめりとした光沢。
男の己の牝へのはじめての意思表示。


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 2018_02_27




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嗜虐にその変態性欲を満たす男と、その男に飼われ被虐の快感に陶酔する女のお気楽な記録♪

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