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sinさまとのお食事に、半分浮かれて半分どきどきしながら、半個室になっている座敷へ通された。
テーブルは正方形で掘りコタツになっている。
中居さんが向かい合って座れるように、お箸のセットを置いて行った。

テーブルはとても広くて、向かい合って座ったら、sinさまととても離れてしまう。
さっきのカフェとは逆だな。と、さっさと座ってしまったsinさまのコートをハンガーに掛けて、自分のも掛けながらsinさまのお傍に座ろうか?と、考える。

でも…こういう場合、中居さんのセッティング通りに座った方がいいのだろうか?
でもでも…せっかくの半個室なのだから、sinさまのお近くで食事を楽しみたい。

お箸を、sinさまのお傍に置き直して座ってから、sinさまのご様子を伺った。
…まったくの無表情。
なにをしているのか?と、言う表情すらない。

あうあう。
やっぱりお箸をsinさまのお向かいへ戻して、座り直す。
でもでも、やっぱりお傍にいたい。
また立ち上がっておろおろ…おろおろ。

それでも、sinさまはただそこに座って無言。
「どうしたの?」とか「早く座りなさい。」とか「傍に来ていいですよ。」なんて、夢の言葉もない。

結局、sinさまと向かい合って座ったのだった。

まったくのわたしの挙動不審さえ、意に介さない。男。
無垢な小娘みたいな、幼い心の自分に苦笑いしてしまう。

舞いあがってしまってて、最初にきたビールをsinさまがわたしのグラスに注いでくださったのは、嬉しくてしっかり覚えているのだけれど、sinさまのグラスにわたしがビールをお注ぎしたのか?どうか?は、まったく記憶にないのだった。

本当に困った牝。でもね、少しずつ落ち着いて、
sinさまが選んでくださったビールが美味しかったこと。
前菜の温野菜サラダにふたりして感動したこと。
お料理に散りばめられた小さな気づきの数々を楽しみながら食したこと。
などなど、ふたりのいつもと違うスペシャルな時間を存分に楽しんだのだった。

とても美味しかった。
ごちそうさまでした*^^*


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